組織心理学×データで考える「信憑性」のある組織づくり

株式会社スタメン カスタマーサクセス部 部長の岡崎です。

現在は、エンゲージメントプラットフォーム「TUNAG」を導入いただいた企業様の組織改善や組織開発施策の実行と推進を支援しています。

前回の記事では、組織心理学について書きましたが、続編として組織心理学から考えるデータの活用についてもお伝えしようと思います。

目次

HRテックで、組織をデータで捉えられる時代に

組織心理学とは、組織のメカニズムを心理学的視点から、パフォーマンスや幸福度・離職率などに影響する要因を解明していくことです。また、影響する要因が証明されるためには、【問題意識→課題提唱→仮説立案→検証・実証】の「検証・実証」が重要です。

ちなみに、学術的にも信憑性の高い「実証研究」が重要視され、その研究をもとに派生している研究が圧倒的に多いです。

例えば、
Q:なぜエンゲージメントが高い状態なの?
A:なぜですかね?

これでは、これまで行ってきた施策の良し悪しがわかりません。
ここで登場するのがHRテックです。
HRテック(HumanResourcesTechnology)とは、従来の人材管理システムに対し、AIだけではなく、モバイルやソーシャルメディア、アナリティクスなどの先進的な技術を組み込み、人事部門の業務に変革をもたらす技術のことです。

HRテックによって人事施策のログを定量データとして蓄積することで、「この施策を継続していることが、スコア向上の大きな要因である」と客観的に言えるようになります。データの活用は、組織改善のPDCAを回す上で非常に有用な武器と言えるでしょう。

「〇〇という施策を継続していることが大きな要因です!」とデータで言えると、施策の信憑性は一気に上がります。

つまり、HRテックは離職率やパフォーマンスの要因を定量的に判断し、PDCAを回しやすくできる点で、組織心理学と非常に親和性が高いといえます。

組織心理学×データで陥りやすい罠

先ほど離職率やパフォーマンスの要因を定量的に判断し、PDCAを回しやすくできる点が良いと伝えましたが、データだけが重要というわけではありません。逆にデータだけに着目すると陥りやすい点もあります。

それは、分析(PDCAのCheck)ばかりで変えたこと(PDCAのAction)が一つもない状態です。

データはあくまで、施策の評価をするための情報であり、分析した上で次の改善アクションをいかに行えるかが重要です。分析をもとに改善が進められて、はじめてPDCAが回っている状態を作ることが出来ます。

私たちが考える「エンゲージメント」

私たちが大切にしているエンゲージメントの定義は、「会社と従業員、そして従業員同士の相互信頼関係」です。以下の8つの要素をエンゲージメントの構成要素として捉え、定点観測を行っています。

  • 会社理解・共感
  • 事業理解・共感
  • 組織理解・共感
  • 上司との関係
  • 仲間との関係
  • 業務環境・待遇
  • 承認欲求
  • 成長機会

結局のところ、エンゲージメントが高いことと組織の成長への影響があることに正の相関があるかが重要であり、それすなわち「人的資本経営」であると思っています。

エンゲージメントと退職率の図(出所:https://project.nikkeibp.co.jp/ESG/atcl/column/00019/080400006/)

スタメンで実践している「エンゲージメント施策と仮説」

エンゲージメントが高く成長も出来ているスタメンは何をやっているのか、どのくらいやっているのかを因果関係の仮説とともに一部公開します!

※適切な分析を行っておらず、有意な正の相関を学術的に証明できていないので仮説としています。
※集計時点での従業員の人数は、約100人です。

仮説①トップメッセージ|会社理解・共感を高める

弊社では、経営層からのメッセージ発信を創業時から継続的に行なっています。代表が変わっても、創業から注力しているエンゲージメント向上施策の一つです。

実際に、発信できていない週があった期間の組織サーベイでは、会社理解・共感スコアが明らかに下がってしまいました。発信頻度が組織の納得感に直結することを、身をもって実感しています。

仮説②感謝・称賛の文化醸成|承認欲求を高める

感謝を送り合うサンクスメッセージや、成果や貢献をオフィスで祝う「スタカネ」などの称賛文化を大切にしています。
ある多店舗経営をされている企業では、店長が毎週店内の従業員全員にサンクスメッセージを送っている店舗は離職がゼロだったという事例もあり、非常に強力な効果を持っていると言えるのではないでしょうか。

仮説③1on1の充実|上司との関係を深める

目標面談や振り返り面談といった評価面談とは別で、キャリアや雑談含むを1on1を月1回以上で行っています。
部長が1on1の頻度を隔週に上げた部署でスコアが大幅に改善された例もあり、「相談できる環境」という心理的安全性の大切さを再認識しています 。

エンゲージメント施策を文化にする3つの秘訣

本当は上記の仮説をもとに因果関係を証明することまで行いたかったのですが、正確な分析方法が必要になり「証明」と言えるところまで到達が難しいと判断しました。
そこで今回は、前述のようなエンゲージメント施策が浸透する組織を作るためのポイントをまとめます。

①現在地、理想状態、達成期限を言語化する

エンゲージメントは、正直抽象度が高く曖昧な表現だと思っています。

そこで重要なのは、「自社にとってのエンゲージメントが高い状態とは、どのような状態かを言語化する」ことです。

様々な企業様を支援してきて、理念浸透が出来ている状態を目指す企業様もあれば、コミュニケーションが活性化している状態を目指す企業様もあります。
当たり前の話ですが、理想の状態と現状のギャップを的確に捉えて施策を打っていく必要があります。

また、よりスピーディに改善をするために必要なことは、次の2点です。

・言語化した理想状態をなるべく数字で(定量的に)表す
・達成する期限を決める

例えば称賛文化ができている状態はサンクスメッセージの利用率が50%以上の状態と置き換えたり、従業員満足度調査のように「称賛文化が出来ていると思いますか?」という質問に対して、出来ている以上と答えた方の割合が50%以上いると置き換えたりできるかと思います。

また、人間というものはサボる生き物なので、期限をつけましょう。そうすることでスピーディーな改善ができること間違いなしです。

②すべての施策に目的を添える

エンゲージメント向上施策はユニークなものも多いですが、「ただ楽しそうだから行っている」わけではなく、全てに目的があるはずです。
「全制度の目的を全従業員が理解できる」ようにすることが本当に大事です。
新しい施策がスタートするときには、使い方だけではなく目的まで共有を徹底しましょう。

③継続して習慣にする

最後に一番当たり前の事かい!って感じですが、地道ですが最も最短な重要事項です。
では、気合と根性でやり続けるのか!というとそうでもありません。

習慣を作るには、仕組みの力が必要です。

例えば、やるべきことを可視化してミッションとして提示したり、部署横断かつ参加型の施策とチームを作り「自分ごと化」を促します。受け身ではなく、「参加型」のメンバーを増やすことで、組織は自走し始めます。

こういった仕組みを作ることで継続できる状態を生み出せると考えていますが、仕組みの組み合わせで施策のPDCAを回し続けることができれば、理想の組織へすぐに近づくことができると思います。

エンゲージメントという言葉のみで捉えると、概念的な捉え方しか出来ませんが、理想的な組織の状態やそれに対しての課題(ギャップ)、課題を解決するための施策に落とし込んでいくと業種・業態問わず共通点は山ほどあります。

また、エンゲージメントが高いポイントを書いてみましたが、
・現在地、理想状態、達成期限を言語化する
・すべての施策に目的を添える 
・継続して習慣にする

これらは、全て繋がっており、どれかが欠けると実現が難しいと思いますし、それを支援していくことが我々カスタマーサクセスの本当のサクセスだなと改めて感じました。

読んでくださった皆様は、真剣に組織のことを考えてトライしているような方々だと思ってますし、組織をより良くしたいという熱意や理想は同じだと勝手に感じてますので、他の記事もぜひ参考にしてみてください。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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この記事を書いた人

株式会社スタメン カスタマーサクセス部 部長。
広島県出身、中央大学 商学部を経て新卒で2019年からスタメンに入社。
営業→マーケティングを経験し、現在はカスタマーサクセス部でエンゲージメントプラットフォーム「TUNAG」の導入企業様へ初期設計〜運用改善の支援に従事。

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