株式会社スタメンで、カスタマーサクセス責任者(VP of Customer Success)を務めている山田です。
「組織を変えたい」
そう思ったことがある人は多いと思います。
でも、実際に組織が変わる瞬間に立ち会える人は、そう多くありません。
TUNAGのCSとして約8年。
制度や機能ではなく、組織文化や人の習慣、行動変容と向き合い続けてきました。
振り返ると、組織を変えてきたつもりが、実は自分自身がいちばん変わっていました。
その経験を通して見えてきたのは、組織変化を生み出す人には、いくつかの共通した在り方があるということです。
経営の理想と現場のリアルの“狭間”に立てるか
CSは、経営の理想と現場のリアルの狭間に立つ仕事です。
気持ちの壁、組織構造の歪み、文化の矛盾、慣習の根強さ、感情の揺らぎ…などなど、どれも簡単ではありません。(この複雑さこそが私には魅力的でした。)
ある時、組織課題が複雑に絡み合った企業の支援を担当しました。
制度はある。ビジョンも共有されている。だけど、現場は動かない。
経営者と現場責任者とでじっくり話し合って、やっと気づいたのは、施策の問題ではなく、組織構造のズレそのものがボトルネックだということでした。
それに気づいて、経営と現場の双方に“習慣”という形で橋をかけたとき、現場が一気に動き始めました。
「経営の視点で組織全体を見ないと何も変わらない」という気づきをこの経験が教えてくれました。そして、この視点は事業をつくる力や経営人材の視野にも直結していく感覚があります。
施策ではなく「意味」を構想できるか
以前、TUNAGがほとんど使われていない企業がありました。
私は当初、「使い方を説明すれば使われる」と思っていましたが、ある責任者の方に言われた一言で思考が変わりました。
「使い方は分かっています。でも、使う意味が正直まだ腹落ちしていなくて…」
つまり、必要だったのは操作説明ではなく、「その会社がTUNAGを使う意味」でした。
そこから私たちは、その会社・組織にあったストーリーを再考し、現場に合った意味づけを作り直しました。
すると、徐々にではありましたが反応が変わり、その後も試行錯誤していく中で、それまで主体的な発信が全くなかった会社が、毎日TUNAGを開き部門を超えたつながりなども生まれる会社に変わり、数年後には離職率の低減にもつながりました。
この経験で学んだのは、「組織を動かすのは用途や機能ではなく、そこに込めた意味である」ということでした。
目的が何なのかを明確にし、どんな意味づけをし、どんな物語で現場に届け、どう習慣化させるかを常に心がけています。
人の変化に寄り添えるか
TUNAGのCSの本質は、「人の行動変容を支援すること」です。
制度でも施策でもなく、変わるのは“組織”であり“人”です。
ある組織の管理職研修の後、とある方が話しかけてきました。
「今日のワーク、結構きつい内容でした。ただ…これも必要だなとも思いました。」
そこから10分ほど、本音を語ってくれました。
現状のもどかしさ、チームへの責任、変わらなければならないという葛藤
最後には、「誰かに話すだけで、整理されるんですね」と穏やかな表情で言ってくれました。
この瞬間、人が変わるのは、制度が変わった日ではなく、“気持ちを言葉にできた日”なんだ。と実感しました。
その方は、それからチーム内で1on1を少しずつ行うようになり、組織全体のコミュニケーションが変わりつつあると担当の方を通じて話を伺うことができました。
この7,8年で、私が最も育った力は、「人に伴走する力」だと思っています。
こうして振り返ってみると、CSという仕事は、何か一つの視点だけで成立するものではありません。
複数の視点を行き来しながら、その会社にとっての“最適解”を探し続ける仕事なんだと思います。
変化を生むのは、肩書きではない
私がTUNAGのCSというロールだからこそ、組織を変えられているとは思いません。
それ以上に必要なのは“視点”だと思っています。
誰のどんな課題を、どう変えたいのか。
それを誰とやるのか。
その問いを持ち続けることが、組織を変えるための軸となっています。
組織変化を生み出す人になるために必要なのは、特定の役職ではありません。
経営と現場の間に立ち、意味を構想し、人の変化に寄り添い、挑戦の隣に立ち続けること。
振り返ると、組織を変えてきたつもりが、いちばん変わっていたのは自分でした。
組織変化を生み出す人になるとは、自分の在り方を問い続けることなのかもしれません。

