株式会社スタメンで、カスタマーサクセス責任者(VP of Customer Success)を務めている山田です。
今回は私自身が組織改善に取り組んできたことで感じたことをヒントに、自組織の運営で各メンバーのパフォーマンス最大化のために考えていることを発信したいと思います。
これまでも今も、組織づくりやエンゲージメント支援をしていると、ほぼ例外なく出てくるテーマがあります。
それが「理念浸透」です。
- 理念をどう浸透させるか。
- どう現場に根づかせるか。
- どう社員一人ひとりに実感してもらうか。
この問いはどの企業でも共通していると思います。
ただ、私自身は「理念を“浸透させる”という言葉の時点で、もう上下ができてしまっているのではないか?」「浸透という言葉の通り、働く人たちに染み込ませるのではなく、置き換えさせていないか?」みたいな形でずっと違和感を持っていました。
理念やビジョンがなぜ重要なのかは他方でも多く語られているので、今回はそこから感じたことと実際に自組織で実践している内容も少しだけですが、組織改善に携わる人間として共有させていただきます。
理念は“相互浸透”させるもの
企業や組織に理念があるように、人それぞれにも“理念”があります。
もう少し分かりやすく言えば、“信念”とか、“生き方の軸”のようなものだと思ってもらえればと思います。
その前提に立ち返ると、理念は「一方的に浸透させる」ものではなく、「お互いの理念を照らし合わせて、重なりを見つけていく」ものではないかと考えています。
つまり、“理念の相互浸透”。
会社の理念と自分の信念の二つが重なったとき、はじめて人はエネルギーを最大限に発揮できるのだと思います。
押し殺す“浸透”が生む、静かな違和感
よく現場で見る光景があります。
- 自分の考えを押し殺して、会社の理念に合わせにいく人
- 会社がこうだから、自分らしさを出せないという人
- 自分のやりたいことは、ここではできなさそうという人
こうした人たちは、決してやる気がないわけではないし、自分からそうなりたかったわけでもありません。
これまで学生時代の部活動でも同じような経験をしたことのある方もいるのではないでしょうか?(私はずっと野球をやってましたが、思い返せば全てではないがそういう時もあったなと…笑)
むしろ真面目で、組織を想う人ほどそうなりやすい。ただ、一概に会社や組織が全て悪いわけではないケースもあります。
でも本来、理念とは“合わせるもの”ではなく、“交わらせるもの”だと考えております。
会社の理念と自分の理念が重なるほど、その人のパフォーマンスは上がります。言わずもがな、会社も個人もそのほうが確実に幸せだと思います。

スポーツで言えば、チームと選手の関係に似ている
たとえば、守備を重視する野球チームがあるとします。
その中に「打撃を磨きたい・輝きたい」と思っている選手がいたとき、この選手はチームに合っていないと言えるでしょうか?
私はそんなことはないと思っています!
守備を大切にするチームも、最終的には「勝つ」ことを目的とされていると思います。その観点で考えると野球(に限らず)は点を取らなければ勝てません。
つまり、チーム(守備重視)と選手(打撃を極めたい)の想いは、一見違うようで、実は“目的”のレイヤーでつながっています。
※スポーツに例えると少し方針や戦略に落ちての話になるので、実は理念とは微妙に違う話になりますが、そこは一旦スルーしてもらえると。。。
重要なのは、「チームの方針」と「自分の役割」の関係を理解し、その中でどう自分の力を発揮するかを見つけること。
これこそが、理念を照らし合わせるということです。
少しズレますが、こういった話をした時にたまに出てくる話の一つとして「方針が違うからルールを守らない」という話がありますが、それは全く別の話だと思います。ルールは守るべきものです!
理念を照らすには、まず“自分”を知ること
理念の相互浸透を実現するには、まず自分自身を知る必要があります。
- 自分は何にやりがいを感じるのか?
- どんな瞬間に感情が動くのか?
- どんな原体験が今の自分をつくっているのか?
スタメンのCS部門では、このプロセスを全員にやってもらっています。
それぞれが自身原体験から理念(信念)を言語化し、その上で「Will・Can・Must」をチーム全員で共有していきます。

TUNAG CS部門でやっていること
これをやることで「どんな価値観で働きたいのか」「何が得意で、どんな未来を描いているのか」などを明確にできるだけではなく、お互いに理解し合うことで、はじめて“会社の理念”と“個人の理念”が交わる余地が生まれるのではないかと考えています。
また、”人と組織で勝っていく”スタメンにおいても重要なことだと考えて、半期に一回全員でやるようにしています。
※実際やってもらうワークも量が多いので、ここでは割愛しますがご関心ある方は仰ってください。
今回は私の組織としての向き合い方や土台づくりの話でしたが、事業をグロースさせるためのCSとしての具体的な取り組みや体制についてはまた別の機会で発信できればと思っています。
モヤモヤは、交わるためのサイン
仕事をしていて、ふとした瞬間にモヤモヤすることってありませんか?
「このままでいいのかな」とか、「自分のやりたいことって何だろう」とか。
でも、私はそのモヤモヤは“悪いもの”ではないと思っています。
むしろ、自分の理念と会社の理念がまだ交わりきっていない“サイン”です。
その違和感にフタをせず、ちゃんと向き合うこと。
その時間こそが、“相互浸透”の入口なんじゃないかと思います。
モヤモヤを放置したり逃げたりすると、やがて惰性になり、やりがいは薄れていきます。でも、モヤモヤに向き合い続けた先には、必ず「納得できる働き方」が待っていると思います。
だからこそ、目を逸らさず、問い続けることを大切だと思いますし、組織観点でみると向き合うことの意義やモヤモヤを共有できる環境を作るのも私の仕事なのかなと。
※察してくれは流石に難しいですが、共有できる場づくりは今後もしていきたいということです。
理念を交わらせながら働くということ
理念の相互浸透とは、会社と個人のどちらかが勝つ話ではなく、組織が押し付けたり、個人に対して迎合したりする必要はありません。
お互いが歩み寄り、交わりながら、お互いを更新していくプロセスです。
会社の理念に自分を合わせるのではなく、自分の理念を通して会社の理念を“深く理解する”。それが、理念が“生きる”ということなのかなと思っています。

今、仕事にモヤモヤしている人がいたら、そのモヤモヤを“出発点”にしてみてもらえるといいと思います。
モヤモヤの先に自分自身の理念が眠っているだけではなく、向き合い続けることで必ずモヤモヤが晴れて、後から振り返ればそのモヤモヤがなんだったのかとわかるのではないでしょうか。

